サハラノコト

好きなことを探して生きていく

「ひとりの時間」楽しめてる??

ひとりで過ごす時間、楽しめていますか?感染症の影響で以前よりも増えたというかたも多いのではないでしょうか。

『& Premium (アンド プレミアム)』という雑誌(2022年 06 月号)で”ひとりの時間の楽しみ”について特集されていました。『& Premium』はいつも素敵な方々の言葉や写真が載っていて大好きです。ひとりで行動するするのが好きな私は、新しい楽しみ方が見つかるかなあとか、誰かのひとり時間を覗き見れるような興味で買って読んでみました。

内容は大満足でしたが、ふと自分のことを考えてみると本当にひとりの時間を楽しめているのだろうかと疑問が出てきてしまいました。ひとり時間を「楽しむ」とことについて私なりの考えをまとめていきます。

 

特集されていた方々に共通すること

共通して言えるのは自分が喜ぶこと・心地良いと感じることを自分でわかっているということ。例えば、家にこもって無心で庭仕事をする、行きつけの喫茶店で過ごす、買い物に出かけてそこにある日常を観察する、食べたいものを突き詰めて食べ歩きする…など楽しみ方は人それぞれ。

素敵な雑誌の特集で声がかかるような方たちだから、きっと各分野で活躍して充実した生活を送っているのだろうと想像します。その活躍の裏では、ひとりの時間を確保することで気持ちをリセットしたり、仕事のためにあえて孤独な時間を作ったりといい意味でコントロールしている。だからこそ仕事でも成果を上げることができるのかもしれません。自分を良い状態に状態に保つ・戻すための取り扱い説明書のようなものを持っているのでしょうか。

ひとり時間を楽しめる要素ってなに?

特に印象に残ったのは、精神科医星野概念さんの言葉です。

ひとりの時間を楽しめるということは、心が圧倒的な孤独にさらされていないということの裏返し

だから、ひとりでわくわくできることに感謝しているとも書かれていました。これが核心を突いているのではないでしょうか。

帰る場所や居場所があることやつながりを感じられる関係性…それは人によってヒトなのか、モノものなのか、コトなのかは違ってくるけれど、そういった存在を感じられることで「ひとりの時間」が際立つ。孤独にさらされているときって自分と他の存在とのコントラストがあまり感じられないような気がします。

さらに、そのコントラストの調整をするのは自分だと感じられることが安心感につながるのではないでしょうか。

違和感の正体

最初、ひとり時間を楽しめていない原因は「自分の好きなことわからない」からなのかと思っていました。わからないのだから、自分が楽しい・癒されることを「見つける」ことができたら解決、ということ。でもこれは間違ってはいないけれど、核心とは少しズレています。

ひとりの時間を楽しめていない原因はおそらく、星野さんのいう「心が圧倒的な孤独にさらされていない」状態にはないということなのかもしれません。絶対的な安心感、とまではいかなくても孤独ではない状態。

でも、「孤独」かどうかを判断しているのは自分です。周りがどうしようもない状況で自分の行動が極端に制限されている場合を除けば、周りに誰もいない、何もないような状況って今の時代は少なくなっているのではないでしょうか。(まあ、なんでもあり過ぎて…という別な問題もあるような気がしますが)側に「ある」ことや遠くにいても「つながっている」を感じるのは自分です。どんなにその存在が濃くても、自分が感じられなければないのと同じこと。私にはこの感覚が足りなかったのかもしれません。

例えば、お気に入りの珈琲屋さんを楽しめばいいのに他の人が何をしているのか気になったり、旅行にいってもお金のことが気になったり、本を読めば特効薬が隠れているのではないかとすがってみたり。物理的にはよそ見をし過ぎているのに結局見えていない。

だから気分転換をしても何もしていないような感覚のまま日が暮れてしまうし、切り替えられないまま翌日を迎えることはしょっちゅう。ひとりで楽しめると思っていたけれど、ただ外の刺激から隠れているだけだったのでしょう。これではいくら楽しいことや癒されることをしても全く効果がないままです。「好き」だと気がつくこともなく通り過ぎてしまっていたら、これほどもったいないことはないですね。

ひとり時間を楽しむために、これからすべきこと

 

  • 大切な人たちや自分に感謝して大事にすること
  • 自分にとって大切なモノ・コトに感謝して大事にすること

 

感謝して大事にすることなんて当たり前すぎるけれど、うっかり蔑ろにしてきたのかもしれません。当たり前に日常がずっと続くだろうと甘えてしまうところもあるような気がします。だから他の誰かと比べて「もっと」と求めたりするのかもしれません。でも求めたところで受け取れなければ際限なく求め続けることになってしまいます。それって自分にとっても相手にとってもすごく悲しい。

だから「もっと」と思う前にまずは、今「ある」ものをそのまま受け入れられるよう心がけていくところから始めてみようと思います。そうして自分の感覚をそのまま受け入れられるようになったとき、きっとひとりの時間がもっと充実した時間になるのだと思います。「楽しまなくちゃ!!」じゃなくて「ありがとう」の気持ちをふんわりと感じる時間を増やしていけたら幸せかもしれない。