サハラノコト

好きなことを探して生きていく

不安すぎる毎日。どうすれば抜け出せるかちょっとだけわかった話

前回の記事ではぐるぐると不安を溜め込みすぎていたことや散歩をきっかけに思いがけず濃い時間を過ごせた日のことについて書きました。その後、以前読んだDaiGoさんの本『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』に不安の扱い方について書かれていたことをふと思い出し、読み返してみました。今読んでみると購入した当時よりも自分に刺さる内容が多かったので、特に印象に残った文章を備忘録としてまとめておくことにします。

 

人生の強敵「不安」。どうやって付き合う?

 不安というのは、普通は何かに追い立てられているから感じるものです。自分を追い立てているものがわかれば、対策を講じることができますし、たとえ一時は不安だったとしても、そうしたものがなくなれば安心できます。

 ところが、漠然とした不安には対処のしようがないため、恐ろしさばかり感じるのです。このような漠然とした不安の正体は何かを調べた研究がいくつかあります。結論からいえば、その原因は”マルチタスク”であり、そもそも私たち自身にその原因の正体があるのです。

私たちはいま、一つのことに集中することがだんだんできなくなっています。これはスマホ依存の研究から出てきたことによる知見です。

(中略)

スマホを使いすぎると、他人への共感能力が落ち、時間がなくなる感覚に陥り、不安や焦りが高じて、またスマホを触る、という悪循環が起こります。

出典:メンタリスト DaiGo『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』第1章 P.46「漠然とした不安や焦りの正体とは」より

 本来、私たちには「いま」しかありません。いまこの瞬間にいかに集中し、没頭できるかが大事で、その時間が長くなればなるほど幸せになれると分かっているのに、「いま」をないがしろにしているのです。

出典:メンタリスト DaiGo『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』第3章 P.130「幸せなはずなのに不幸を感じる三つの理由」より

不安の原因はマルチタスク×スマホ

私の場合はとにかく漠然とした不安でいっぱいでした。仕事、お金、将来、自分の能力、両親との関係…たくさんのカテゴリーが絡んでモヤモヤモヤモヤ。そしていつもマルチタスクをしていました。

マルチタスクとは短時間で切り替えながら、複数の作業を行なっていくことです。ビジネスシーンでは特に意識をせずに使っている方も多いでしょう。電話を受けながら、メールの処理をする、会議中に議論に参加しながら議事録を作成するなど、2つ以上の作業を行っていればそれはマルチタスクです。特にスマートフォンの普及で、パソコンで作業しながら複数のデバイスを同時に使うことも一般的になりました。

出典:『マルチタスクとは? シングルタスクとの違い、デメリットややり方を紹介 | HR大学』より

仕事をしているときから「私には時間がない」と思っていて、コレをしながらあれもやっとこうと複数のことをするのがすっかり習慣になっていました。例えば、スーパーでの買い物や料理中、食事中もYouTubeをながら聞きして情報を詰め込んだり、コーヒーを淹れながら食器の片付けをしたり。もちろん通勤中や休憩中もイヤホンをつけて情報収集を怠りません。いつもいつも不安で、それを解決するためのヒントがほしくて情報を取り込み続けました。

本を読むこともありましたが、情報収集にはスマホが欠かせないツールになっていたので20〜30分、ひどいときは1時間経つのもあっという間です。情報を手に入れ、その瞬間は安心しますが、結局ながら聞きではさほど記憶に残らなくて自分の行動は変わらない日々。そうすると不安も焦りもひと回り大きくなって、さらに詰め込む悪循環。本に書いてある通りになり過ぎて笑ってしまいます。

不安の悪循環は受け身の結果

仕事を辞めた今もマルチタスク×スマホがという最悪の組み合わせは、そう簡単には辞められません。ちょっとだけスマホ…と手を伸ばしたのに、あまりにもサラリと1日が終わってしまった日には罪悪感も膨らみます。不完全燃焼が続くと悪循環は加速し、せっかく「やりたい」が芽生えたとしてもどんどん後回しに。

「時間がなくなる感覚」というのは本当に苦しいですね。「なくす」ではなく、「なくなる」。受け身の結果です。「時が流れる」とかいってみれば聞こえはいいような気がしますし、心を癒すためにそういった時間が必要なときもあると思います。

でも「時を刻む」には自分で動くことが必要になります。能動的にならなくてはいけないのですね。

集中と五感が心を軽くする

でも、あの日の感覚は全然違いました。

目的地を目指して街の音を聴きながらゆっくり歩く。冷たい春風を頬で感じる。コーヒーの甘さと酸味とほろ苦さを味わう。ネットの世界から離れて、目の前の現実と自分の五感が動き出します。

そうすると、下を向いてスマホの画面に集中していたときよりも視界がぐっと広くなります。意識せずとも息苦しさから解放されて、情報をとにかく詰め込みたいという誘惑もなくなった瞬間でした。

普段外出するとなったら、アレもコレも使うかもしれないから念のためにと詰めこむ物が多くてずっしりと文字通り「背負い込んでしまう」のですが、あの日は「ゴミ捨てのついで」から始まった散歩は私を身軽にさせてくれました。

「いま」を積み重ねる

濃厚な時間を過ごしたことで、不思議と頭も体もすっきりとしてその日はとても調子良く過ごしたような気がします。掃除や読書もいつもより集中してのめり込んだなあという感覚で、その日の日記にも「いい日だった」と書いてありました。特に何か得ようとしたわけではないのに、すごく新鮮な気持ちです。時間は限られているから何かを同時進行した方が効率的だと思っていたのに、全然違ったのですね。限られているからこそ、大事に使わないといけないみたいです。

遅すぎる気づきでしたが、ようやく1歩進めた実感があります。「今」に集中することはなかなか難しいけれど、あの日の感覚を思い出して日々の生活でのなかで意識していきたいなあと思います。

最後に

不安についてもう一つ興味深いことが書かれてありました。

 つまり、普通にカウンセリングを受けるよりも、人間はどのように変わるのかをきちんと科学的に勉強したほうが、不安症やうつが3倍も軽減することが分かったのです。

出典:メンタリスト DaiGo『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』第1章 P.59「きちんと学べばたった30分で不安が軽減」より

「なんだかいい日だったなあ」という感覚を持ちながら本を読み返し、研究結果と DaiGoさんの噛み砕いた説明で「なるほどな」とストンと腑に落ちた後、確かに気持ちが軽くなったと思います。感覚なのでどのくらい不安が軽くなったのか表現するのは難しいし、後出しジャンケンのような感じもなくはない。

でも成果のひとつとして、こうやって文章を書くことに集中できるようになったことがあります。ずっとブログ更新が滞っていのは、気持ちが散漫でパソコンを開けば検索検索検索何について書こうか決めることもできなかったからでした。(書き始めたことはあったのですが、テーマが二転三転して自信がなくなって消沈)

長い文章、ましてや自分の考えを書くことは私にとって慣れない作業です。普段から考えをうまくまとめて伝えるのは苦手なのです。そんな私がたった2日ですが連続で更新できたことで既にやり遂げた満足感でいっぱいですw

DaiGoさんの『マインドフルネス』には他にも不安・コンプレックスの扱い方やメンタルを強くする方法、挫折や報われない状況から抜け出すためのヒント、マインドフルネス瞑想のコツなどこれから前を向いて歩いていくのに必要な知識がたくさん書かれています。研究結果を元した内容が多いので知識武装したい私にはぴったりの本でした。ときどき読み返して、自分の感覚と知識をすり合わせていけたらちょっとずつ変わっていけるかな、と前向きな気持ちに慣れた1冊でした。