【うつ病の診断】うつ病と家族、関係を崩さないためにできることとは
「うつは心の風邪」
「うつ病の人は励まさないほうがいい」
芸能人が公表するようになったことで、うつ病という疾患が広く知られるようになりましたが、「家族」でもお互いにどうやって接していいのか不安になることって多いのではないでしょうか。
毎日一緒で、一番近くにいるからこそ感じることってありますよね。
わたしは夫とふたり暮らしをしているのですが、やっぱり難しい問題です。
回復傾向にある今も悩みの種となっているのでうつ病患者自身と家族の目線、それぞれから考察してみたいと思います。
うつ病患者と家族に生じる摩擦
周りにうつ病だった人がいなかったので他人事でしたが、渦中の人となってみると毎日一緒にいる家族とはどうしても摩擦が生じます。
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今日の出来事をいつも通り話しかけてくれる夫
➡︎話がまったく頭に入ってこないわたし
気分転換に出かけようと誘ってくれる夫
➡︎体調が悪いし、全然そんな気分になれないわたし
うつ病なんて気持ちの持ちようだと思っている夫
➡︎自分ではどうしようもなくて、うつ病は病気のひとつだと認識しているわたし
今までどおり趣味の音楽を流して、動画を観る夫
➡︎今までは普通に過ごせていたのに音が耳に刺さるようで苦しいわたし
「普通」になってほしくて気にするなと言う夫
➡︎今までどおりのことができるようにがんばるわたし(でも、できない)
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ありがちかなあと思うのですが、どうでしょうか。
わたしもなるべく「今までどおり」にしたいとは思っているのですが、体がいうことを聞かないし、それどころではないのです。
でももし、逆の立場だったらわたしもうまく接することができるのか…。
自信はないです。
うつ病患者と家族、それぞれの気持ち
わたし(うつ病)が家族に対して思っていたこと
頭も体も心も今までどおりにできないし、そもそも「なにかする」のが大変なので何もしたくありませんでした。
夫のことが嫌いになったわけでは決してないのに、「会話する」ということは気分転換になり得ず疲労感が増すだけ。
キツい言い方になってしまいますが、体調の悪いときはとにかく放っておいてほしかったです。
放っておいてくれれば気を遣ってくれる夫に嫌な思いをさせることもないし、わたしも休むことができます。
「ああ、またうまくできなかった」と落ち込むこともつらかったですし、ひとりで静かにしていると少しほっとできました。
夫(家族)の気持ち
うつ病を疑って受診のきっかけをつくってくれたのは夫でした。
夫なりにいろいろ調べてくれたようです。
ただ、体に痛みが出ている段階のときはすごく心配してくれていましたが、精神的な症状が強まるにつれて少しずつ対応がキツくなっていきました。
病気だという認識はあっても、話しかけても心ここに在らずでは悲しくなってしまうでしょうし、なんとか早く治ってもらいたいという優しさがあることもわかります。
また、夫は自分の体調が悪くても仕事で成果を上げること、人に気を遣うことを忘れない人です。
だからこそ、「どうしてできないんだろう」という思いもあったのかなあと思います。
それが「うつ病なんて気持ちの持ちよう。そのうち良くなる」という言葉につながるのかなあと。
それにふたり暮らしをしていれば、「もしかして自分が…」とどこかで責任を感じる部分もあるのかもしれません。
夫の本当の気持ちはまだ聞くことができていません。
前ほど辛辣ではないですが、体調の話をすると「病んでるもんね」「あー、はいはい。ごめんねー」となかなか話にならないからです。
まあ、元気じゃない話をされても面倒ですよね。
夫の中ではまだ認めたくないという気持ちがあるのかもしれません。
それに、どんよりした人と一緒にいれば病気じゃなくても気持ち的に良くない方に引っ張られるでしょうし、たとえ知識があったとしても疲れてくるものですよね。
やっぱり人と人の関係はお互いに歩みよる気持ちが必要
うつ病は病気である。
うつ病患者も家族も、どちらも悪くない。
(うつ病になったわたしは認知の歪みを解消したり、見直したほうがいい習慣はあると思いますが)
でもお互いがちょっとずつ歩み寄れればいいのかなと思います。
また一番悪い状態に戻っても思いやれる自信がある!とは言い切れないし、動けないことを理解してほしいという願いはあるのですが…。
「今は体調が悪いから少しそっとしておいてね(ちょっとこもりっきりになるけど、あなたのせいじゃないよ)」と言葉で伝えるとか。
まあ、わたしの場合は伝えたけど、機嫌を損ねてしまって気まずい思いをしたので、また言葉にするのはすごく怖いですが「あなたのことを嫌いになったわけじゃないよ」ということは伝わるように意識しておこうという心づもりです。
また、うつ病のご家族やパートナーがいる方は「今はそっとしておいたほうがいい時期なんだな」「自分のせいじゃないんだな」と意識して、ご自分の好きなことをしたりして気分転換することをおすすめします。
もし、無理してずっと一緒にいて、一緒に落ち込むことになったら大変です。
わたしはそうしてもらえた方が気が楽になりました。
今は「心の風邪」ではなく「心の骨折」という表現のほうが合っているという意見も多く聞かれます。
風邪のように早めにすっきりと完治することは難しく、骨折のように治るまで時間がかかる上にその部分には痕が残る、という解釈のようです。
うつ病ってやっぱり難しい病気ですね。
お互いの心の中は理解しようがないですが、優しい関係のまま一番つらい時期を乗り越えられるようにと願うばかりです。